9.2 「ぬめ」の下支え

  「ぬめ」に立子が垂直に並ぶことになる。この重さは相当で、「ぬめ」が下方に垂れ下がる要因になる。一方間柱が間に入る場合、親柱に対して間柱は直線に並ばず、柱1本程度ずれて設置される。このため間柱は「ぬめ」を支えることが出来ない。このため下支えを必ず設置する必要がある。

 間柱の位置に「ぬめ」を下支えるための部材を設置する。

  部材は柱を切断した残りを使用するか、それがない場合はブロック等でも良いが見栄えに注意する。

10.      柱の間隔を固定

胴ブチを順次取り付けて行く等の作業に伴い柱の上下で狂いが生じてくる。このため予め柱の上下の間隔を同じ寸法で固定しておく必要がある。そのため親柱の頭部の相互を木の棒等で仮止めを行うことが大切である。

この材料の除去は、胴ブチおよび押ブチの取り付け作業が終わってからで良い。

柱を水準器で垂直を取っただけでは、上下の間隔が狂い、立子の末元の配列だけでは調整が不可能になる場合が生じる。

11.      一重垣の胴ブチのとりつけ

 一重垣の胴ブチは上の写真の左に見るように丸竹である。

@   配列は元と末を交互に取り付ける。

A  寸法は末口の方を節止めすとる形で柱に円滑に取り付けられるようにナイフ等で切り口を整える。

B   次に元口の方を切り整える。

C 双方をネジ止めする。

胴ぶちの節止め位置確認      末口を節止位置で切断       ネジ止めの穴明け

●竹の元口の寸法あわせ

 胴ブチの場合、節止めの末口を合わせ、次に元口の寸法を合わせ切断する。この元口の寸法合わせと柱の円周に合わせた切り口を作るのが結構難しい。下図に示すように元口の竹と柱を直角にした接線(点線)よりも柱よりの位置をノコで切断後、切り出しナイフ等で円柱に沿った形で切り欠くイメージが大切である。

 

12.      立子の取り付けと垣付け

 立子を取り付けは、胴ブチを全て取り付けネジで固定した後に行う。

@  立子の両端3枚は必ず末口を上にする。(薬竹といい逆さまにしない決まり)

A   立子の上端は胴ブチよりも2cm程度上に出し、押ブチの上端より少し出るようにする。

B  立子は見た目を良くするため、正面から見て節を揃えない。

C   垣付けは胴ぶちの中間、3段目に行う(作業上やりやすいところでも良い)

D  垣付けは、立子を一枚ずつ銅線により仮押さえする。下の写真はシュロ縄で垣付けを行った場合で、現在は銅線を用いている

E 垣付けは竹やシュロ縄が腐食した場合でも立子がバラケないように取り外さない。

垣付けは一重垣の場合、正面からのみ見るので押しブシに隠れて見えない。また、裏面では見えるが通常見ることは無い。

又二重垣の場合は忍びと立子を垣付けするが両面から押ブチで押さえられ隠れるため見えない。

F  垣付け仮止め等は強く締め付けない

   垣付および、仮止めは強く締め付け固定するイメージを持ってはいけない。

 

垣付け仮止めは作業を容易にするためのもので、固定するためのものではない。したがつてある程度ゆとりを持たせることが大切である。

きつく固定されていると立子を取り付ける場合、立子が上下端で間隔にズレがある場合身動きが取れなく調節が難しくなるまた、男結びをクリ針を使用して行う場合にも、隙間を容易に確保出来ず作業を難しくする要因となる。

 

立子の垣付け

この場合はシュロを用いたが銅線を使い取り外さない

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