c40b0058.jpg c40b0060.jpg c40b0052.jpg
第2章
第1章
資料
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第2章
第1章
資料

4.2 道具を使いわける

    道具は一生物として良いものを入手します。安物買いはしない事です。

   @トリーマは、2台、長尺(40cm)のものと短いも(26cm)の2種準備します。

    トリーマは中途半端の長さのものは避けます。大きいカイヅカや生垣の手入れ等

で長ければ無理な体勢を回避出来、作業効率も上がり身を守る事にもなります。

   A短いものは軽く操作が容易であり、高い所の玉物の作業や比較的小さい玉物の手

入れを行う場合に適しています。高い所では片方の手で安全を確保し作業出来る

ます。両手を使う刈り込みハサミでは真似出来ない事です。

   B刈り込みハサミ

    刈り込みハサミは刈り込みの基本です。トリーマに全て頼るのは良くありません。

お客様によってはハサミで刈り込みを要望される場合があります。

機会を見てハサミを使い、慣れ親しむことが大切です。

刈り込みハサミは柄の長いものと柄の短いものと2種類用意します。

柄の短い刈り込みハサミは玉物とか高い所での作業とか小回りを要求される場合

に使用すると便利で作業効率もあがります。

マキの手入れでトリーマの切り跡を見ると、切ると言うより引きちぎるようにさ

さくれています。時間がたつとササクレの部分が茶色くなり見栄えは良くありま

せん。一方ハサミではきれいにスパット切れます。お客様によってはハサミでの手

入れを要望される事があります。

Cマツやマキの枝抜きに用いるハサミ

    果樹園で主に用いられている小型で先細の剪定ハサミを用いると便利です。

ハサミを持ったまま両手を使う事が出来るので作業効率が上がります。

D樹木によってどのような手順・道具を使って手入れを行うかは作業効率にも影響

するので道具を使い分けることが大切です。例えば五葉松、モッコク、チャボ、ア

カメの生垣等の手入れはどの道具を使うか考える事が必要です。

5. 道具

 5.1 道具の入手

   @刈り込みハサミは色々のメーカのものがあります。刃が柔らかいハサミは固いも

のを切ると、刃が欠けます。放置するとそこに刃が引っかかり欠けた部分が更にひ

どくなるので早く修復します。

岡恒製の刈り込みハサミは刃が固く丈夫で切れ味も良く結構固いものを切っても

刃の欠けることは滅多にありません。

A道具は先輩に良く聞き一生物として良いものを買います。

安いものはそれだけの物です。再び買い直す事にもなります。

   B新人は、半年程度仕事に従事し、続ける体力・意志があるならば早期に必要な道具

を取り揃えます。何時までも道具を整えず借りるのは良くありません。

   C新人が使用すると無理な使い方で破損させることがあります。大事にしている人

にとって、ゴメンで済まされたのではたまったものではありません。道具は借りな

くて済むように早めの準備を心掛けます。

D最近は自転車の方が多くなり、日によって少なく道具を持ってくる人がいます。

グループで分担等工夫し必要と思われる道具は過不足なく準備します。     

 植木職の工具等の準備 資料5

 5.2 道具の手入れ

   @道具は自分で手入れを行うようにします。ハサミは切れなければ能率・出来映えに影響します。また、特に刃こぼれがある場合修復しないと刃の傷を大きくします。

   Aトリーマやチェンソーも研がないと切れなくなり作業能率と出来栄えに影響しま

す。チェンソーの切れ味が悪いと能率だけでは無く無理に力をかけ疲労や怪我の基

となります。目立てヤスリは安く入手できますので自分でメンテするように心掛け

ます。

 5.3 大木の伐採

   @ロープ

    大木の伐採で怪我や建物の破損が生じる事があるので細心の注意を払い作業を行います。作業は力学的な観点が重要で基本を守り、工夫し仲間と確認しながら行います。この時必要となるのがロープです。ビニール紐は適しません必ず綿のものを使います。安全性・有用性から10メートル程度の長いものを3本は必要です。

A小物

大木を伐採する場合はチェンソーの刃が木の重みで食い込み、やがて動かなくなります。このような場合切り口にクサビを用いて切り口を開き、刃が動き易いようにします。

 5.4 特殊な梯子

  庭も傾斜地や狭い所等様々です。このような場合に足の長さが調節できる梯子があります。高さも調節できるので庭の7割程度はこれ1本で済みます。

  ホームセンターでは売っていませんがインターネットで購入することが出来ます。

それほど高くは無いので用意すると重宝します。

6. 体制

 6.1 体制運営で考慮すべき事

  班として持続可能な体制・技術継承・仲間の協働意識について班員の合意形成を図り運

営する必要があります。グループ編成にあってはチームの体力・経験・技術的バランス、

新人の育成等に配慮し納得する要員配置に心掛け、課題があれば全員の合意形成を図

り進める事が重要です。

 6.2 班長の選び方

@班長は班の全体を纏める重要な役割です。又班長として植木職の全体会議に参加し

周知・連絡事項や会議で決まった事などの班内への周知とともに又、シルバーの全体

会議で議論すべき事項等について提案することも必要になります。

A班員の入会・退会・病気休業等に伴う増減に対して新たなグループ編成をタイミング

良く行わないと特定のグループに負担が掛かり良くありません。速やかに見直しを

行います。

B班長が全権限を担っていると誤解している場合があります。班長は班員の協力を得

ながらまとめる代表者です。

C班長の仕事は多岐にわたりそれなりの判断・責任もあり大変な役割です。しかしその

大変さはやってみないと判りません。従って班員の共助の心を醸成するためにも全

員が班長を経験することが大切です。先輩ベテランが班長になれば簡単ですが、いず

れは去ります。従ってベテランが踏襲するのはお勧めできません。

D班長の選出の取り決めも無いと混乱します。これを避けるためには班長の選出は一定のルール、例えば入会順などを決めて置いた方が良いと思います。

 会員の皆さんは人生の経験者です。誰がなっても班員の協力を得られれば務め上げられる筈です。

D植木職はお互いが助け合いの気持ちがなければとても危険な仕事です。協調性に欠

ける方や自分のやりたい事を第一に休みの多い方は植木職として相応しくありませ

ん。そのような方は植木職として遠慮していただく判断も必要です。

6.3 班内作業配分

  @班長は配分された受注件数が妥当かどうか最初に判断しなければなりません。件数

が多ければその月に処理する事が出来ません。少なければ楽な作業月となりますが

他班は忙しくその月に処理出来ないかもしれません。その場合何件か引き受ければ

全体としてうまく処理できるかもしれません。従って最初に処理可能件数かどうか

見極め他班と調整する必要があります。また、配分されたものに他班のものが紛れて

いればそちらに回す必要があります。

月の会員の可能工数は、会員の様々な要因で変動します。それを把握した上で班長は

受注可能件数を把握して置く必要があります。その計算方法を示します。

受注可能件数  資料13

  A調整後の作業案件を全体で仕分け、班内の各グループに仕分けする等結構大変な作

業があります。お客様のサービスや会員の作業軽重・配分金に直接影響するので納得

いくグループへの作業配分が求められます。 

B作業配分では次のような事に配慮します。

・公平に配分する(件数・トータル時間)

・馴染みのお客さんはそのグループに任せる。

・他班の作業は他班に回す。

・新規のお客様の作業内容は不明なので例えば、2人工と仮定して件数を公平に配分

する

C人工が大きい作業は各グループに公平に配分します。特に大きい作業は班員の全員

作業とし、予め順番に責任グループを決め、日程はお客様と調整しておきます。

これらを実現するには結構な作業が伴います。パソコンがあると良いのですがそう

  でないと一寸大変です。

                           班内作業配分 資料6

 

 

6.4 グループ内の運営

 @グループ内の役割分担

グループ内には共通する作業があります。これらの作業を各人のレベルに応じて交

代で役割を担って頂くことは責任感の醸成や共助の精神から大切です。(3.1項参照)

A1ケ月全体の作業計画を一覧表で判りやすく間違いが無いよう共有する事が必要で

 す。予め、事前のお客様への電話での見積もり案内で、お客様の要望・過去の作業実

績・会員の休み等勘案し、お客様の作業予定日・要員配置を考慮した作業計画表を作

成し、及びお客様との確認事項のメモ(見積一覧表)を用意し見積もりに伺います。

お客様と日程調整がついたものは作業日を順次確定していきます。

この確認メモを基に事務所提出用の見積調査票を作成します。この見積もりメモは全

員作成しているので、見積調査票に誤りが無いか相互チェックする際に活用します。

併せて植木職班日程計画表を作成します。見積調査票と植木職班日程計画表は事務所

の管理資料となります。                        

作業計画表 資料7

                            見積一覧表 資料8

                       参考案  見積調査票 資料12

  B作業計画表と見積もり一覧表

   作業計画表は事務所から配布されたお客様リストを基に作成します。この作業計画

表ではお客様を18件記入出来るようになっており見積一覧表に必要項目が連動し

転記されます。この例では1ページで7件、3枚分21件の見積リストが作成され

ます。

また、この作業計画表は3つの特徴があります

・月日の設定項目に入力すればその月の日と曜日が自動で表記されます。

・土日の部分を色分けの設定すれば黄色で表示され見やすくなります。
・見積もりの伺うルートを予め決め設定すれば自動でお客様を町別に分類出来ま

 す。

Cお客様に伺う順番を決めておくと無駄な時間が省け良いでしょう。事前の電話で時

間等指定される場合は配慮する必要があります。不在の場合は馴染みのお客様であ

れば確認表をお客様に残し連絡を入れて頂くよう依頼します。新規のお客様であれ

ば連絡をお願いするメモを残します。

  D早く帰る人もいるので、朝一番で作業確認表を集めて置きます。

 Eお茶の時等リーダは、作業全体を俯瞰し作業の進捗状況・注意事項等気の付いた事に

ついて話すともに、お客様の意向等も雑談の中から引き出します。作業の遅れで終わ

らないと想定される場合は人員の配置・追加・役割変更するなどを行います。

夏場は熱中症にならないよう休憩を時々挟むよう心掛けますがお客様にはサボツて

いると思う人もいます。リーダは随時の休憩などもお客様にお話ししておきます。

7. 育成

 7.1 シルバーの仕事として

  @シルバー植木職はプロの集団とは異なります。この仕事で一生を託し生計立てる職

場ではありません。又シルバーはそのような職場環境を提供する場でもありません。

植木職は、即ち会員それぞれがどのような考え方で仕事として捉えているかにより

ます。お客様からお金を頂く以上、一定の品質を保証し、趣味では無く仕事として捉

える事が必要です。

  Aそのためには各人の技術レベルを段階的に向上させ、目的意識を明確にし、座学・現

場での指導を適切に行い、安全性を第一に育成を計ります。

B教えるということは、教えられる方の受け止方によります。教える人の技術は勿論で

すか、その人となり、振舞、判断力、確かな知識と経験に裏付けされているかを見て

います。現場ではなるほどと理解されるような実地指導が重要です。

  C会員の中には様々な人生観から自分の生活を第一に休みを計画する人がいます。

しかし、雨で予定が変わった場合、人が揃わなければ計画を立てられません。

このような方は、育成にも力が入らず、主戦力として期待されません。

7.2 段階的育成

植木の仕事は知識ではありません。体で覚えるものです。従ってその人の能力・熱意に

応じ段階的にレベルアップを計る必要があります。指導的立場の人はそれらを踏まえ

た作業を与え、育成を図ります。

                  段階的育成 資料10

 7.3 キーマンの育成

  @班としてまとまりがあり、お客様に対して一定の品質を提供するために班として体

制・技術を将来に亘って維持可能な状態に引き継いで行く必要かあります。

そのためには責任感が有り、知識・技術にも優れ、さらに全体を纏めていける人をキ

ーマンとして育成します。誰でも良いというわけではありません。

   リーダは、それに相応しいと思う会員に対して、その意識付けを行い、技術継承を行

い、班内に認められるような配慮をしながら、将来に備えます。

8. 新人の心得

  新人が入会した場合、最初にシルバーの植木職として必要な心構えを伝え、仕事の危険

性・期待していること・必要な道具等の準備について最初に伝える事が以後の育成で重

要です。

新人の心得 資料11